実演生物学:Ch2. -6A,:パラフィン切片HE染色標本(ニジマス稚魚)の作製法
<移動目次を表示する時はここをクリック>
<本節[G]の目次:クリックで移動>
主な物品:模式図を参照(図X)。
1. 準備と注意事項
2. 脱水/染色/封入 (工程の時間割)
3. 封入(Mounting)
4. 模式図とボタン番号の関係
・・・・・・・・・・・・・・・・・
接着乾燥が完了した「貼付けプレパラート」は、染色カゴに入れ、染色ツボに用意した以下の系列溶液で染色工程の処理を行なう。以下の1〜14の操作は連続して染色壺を利用して行う
処理・操作 処理時間
脱パラフィン(deparafinization)
□ 1:Xylene 1st 10分
□ 2:Xylene 2nd 10分
□ 3:Abs.EtOH(キシレン除去) 5分
親水処理(Hydration)
□ 4:95% EtOH 2〜3分,またはそれ以上でも良い
□ 5:80% EtOH 2〜3分,またはそれ以上でも良い
□ 6:70% EtOH 2〜3分,またはそれ以上でも良い
□ 7:50% EtOH 2〜3分,またはそれ以上でも良い
□ 8:Water(DW) 2〜3分,またはそれ以上でも良い
染色 (H/E)
□ 9:Mayer's Hematoxylin 15分
(試し染色で処理時間を決めておく)
□ 10:水洗(流水、水道水) 10〜20分
(青みがかるまで流水で脱色、標本に直接流水をかけない)
□ 11:Eosin (x4希釈液の場合) 30秒〜1分程度
(試し染色で処理時間を決めておく)
□ 12:Water(DW/水道水) few dips(数回上下させる)
(染色判定法:軟骨が青く筋肉が赤く染まるようにする)
脱水(Dehydration)と透徹
□ 13:70% EtOH 1 dip(または数回上下させる)
□ 14:80% EtOH 1 dip(または数回上下させる)
□ 15:90% EtOH 1 dip(または数回上下させる)
□ 16:95% EtOH few dips
□ 17:99.5% EtOH(くみ出し*) few dips
□ 18:Abs. EtOH 1st 3分,またはそれ以上も可
□ 19:Abs. EtOH 2nd 3分,またはそれ以上も可
□ 20:Xylene 1st (中間剤) 3分,またはそれ以上も可
□ 21:Xylene 2nd(透徹/保存) 3分,またはそれ以上も可
□移動用に用いるキシレンツボに入れ封入操作を待つ(乾燥厳禁)
封入剤(ビオライトなど)とカバーガラスで染色切片を封入し永久標本とする。封入剤は「ビオライト(Bioleit:応研商事940728)」などであるが、封入剤の粘度は事前に確認する。本操作ではキシレンガスが多量に出るので、換気や風向きに充分注意して、ガスをなるべく吸引しないような実験台で行うこと。
ビオライト扱いのヒント
1)ビオライトはキシレンで溶解するが、キシレンは揮発性が高いので、ビオライト瓶のキャップを解放すると、すぐ堅くなり使いにくくなる。そこで時折、小量のキシレンをビオライト瓶の中に滴下し柔らかさを加減する。空気が混入しないようゆっくり瓶を回転させる。
2)また、使用するビオライト滴下用の竹串はキシレンに浸けておき、要時、キシレンを紙タオルなどで軽くふき取ってから、キシレン壺に入れると使いやすい。
3)換気に注意する。
操作手順:図を参照
<目次と移動ボタンの対応>
<パラフィン切片HE染色標本の作製法>
A. 組織標本作製技法の概要と安全対策
B. 一覧表:組織標本作製工程
C. 主な試薬と備品、その調製法
D. 実技手順1(固定):前処理・固定/脱灰・整形(1st Stage)
E. 実技手順2(包埋):脱水・パラフィン浸透・包埋(2nd Stage)
F. 実技手順3(薄切):ミクロトーム操作、薄切・伸展/接着(3rd )
G. 実技手順4(染色):染色、脱水、封入(4th Stage)
H. 代用キシレン法
I. 主な関連解説と参考書一覧
・・・このシートは終わり・・・・
ボタン[Text Top]で先頭行へ移動する。
|