7. おわりに:少し考えて欲しいこと!
マダイ骨パズルは、材料入手が容易、子供から大人まで、あるいは、家族ぐるみでも取り組めます。形式的に言えば、生物学習教材であり、専門を志す人にとっては他に変え難い自主研修の材料のはず。その取り組みは状況に応じて多面的ですが、繰り返しチャレンジが可能な安価な材料という点は利点です。生物教師を志す方にも今時手頃な研鑽対象かなと思っています。
ただし、サカナの骨には「棘/トゲ」があるので注意してください(尖った骨を安易に捨てるのは危険です)。食味の時、口腔触覚や舌動能が低下している場合も注意してください(周囲の人が配慮してあげることも重要です)。
時々「なぜパズルなの?」という質問も受けています。その質問こそ「骨パズル」サイトを作った動機のひとつですが、この話を書くと無限大?になるし嫌がれるので、その要約は「骨パズルの作品化へ」のシートに書きました(気が向いた時、ココをタップ/クリックで参照してください)。それから、いつも「迷路だね!」って言われ続けていますが、弁解すれば「迷路の歩き方こそ学習だよ!」って言いたいですが、またまた意味不明ですよね:ゴメン。
ともかく、今回は楽しげな「食育・知育」の一部として紹介しています。それらは人に不可欠な自主学習(自主トレーニング)であり、つまり「構造」という概念に基づく「知性トレーニング:構造と空間認識とその言語化」の試みと考えています。
人は「衣食住」の充足で生きています。「衣」とは装いですが、衣服を着るだけでなく「どんな装いで自分を表現したいか」ということが現代のポイントかもしれません。つまり、学び/経験値に基づき自分を装う/表現することも必要です(骨で装うではなく実体を見つめる/考えるその経験値が「装い」という意味です)。その効果はきっと社会的な「投資・消費・浪費」の三択に繋がるのだろうと思っています。その観点から学校教育や学習ということも考えて欲しいと思っています。
最後に、骨パズルは人畜無害ですが、犠牲となるサカナを代弁すれば、森川海連環の学びも必要ではないかと思っています。平和に疲弊する美しい日本にならないため、つまり、カニもフナムシも海藻もいない綺麗な海辺に満足することなく、時には気ままにスマホ片手に骨パズルを食べながら、時間をかけて、自然物の構造のことを自分流の自主トレから考えて欲しいと思っています。いつかは子供でも小魚がたくさん釣れる美しい日本にして欲しいって思ってます。